Wednesday, October 13, 2010

クマ:勝山の介護施設に出没、看護師が襲われけが 大野では民家の庭で射殺 /福井

勝山市野向町聖丸のデイケア「野向の舎」で、女性看護師がクマに襲われ大けが--。山間の木の実が不作で、飢えたクマの出没が急増している今秋、県内で初めてけが人が出た。12日、クマを閉じ込めた施設内部からは、つめで何かを引っかくような音が聞こえ、施設や隣接する病院の関係者は「まさかこんな所で」と震え上がった。大野市の住宅街でもこの日、クマが1頭射殺された。【酒造唯、橘建吾、安藤大介】

デイケア長の池端定男さん(54)や勝山署によると、けがをした看護師は午前7時ごろ出勤し、正面玄関の鍵を開けて入り、車椅子を準備していたところを襲われた。両手で押しのけて抵抗し、血だらけになって病院の玄関まで逃げ、事務員に助けを求めた。池端さんは「近くでクマが見つかることはあったが、中まで入ってくるとは」と表情をこわばらせた。

その後、他に4人の病院職員がクマを目撃。施設と病院をつなぐ通路でクマが突進してきたため、病院の別の女性看護師が扉を閉めた。クマは「ドン、ドン」と扉に体当たりしたという。その後、防火扉も閉めてバリケードを築き、135人の入院患者を守った。

現場では、猟銃を持った県猟友会勝山支部のメンバーや、麻酔銃を持った県自然保護センター職員、勝山署員が午前10時過ぎから施設に入ってクマの居場所を約2時間探った。しかしクマが隠れられる場所が多く、県が危険と判断。午後2時ごろ、市職員が施設内にハチミツや酒かすを入れた捕獲用のわなを仕掛け、勝山署員らと施設周辺を警戒した。

内部の様子について猟友会の久保達夫さん(64)は「足跡があり、紙コップや品物が散乱していた。風呂場の方に向かったようだ」と話した。

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